事が起こってからまとめても遅いかもしれないけれど…
緊急地震速報とは何かについてをまとめておく. 今後は動揺しなくてもすむように心構えをしておこう.
緊急地震速報の仕組み
- 地震には伝播速度が速いが後述する S 波と比べて揺れが弱い P 波と, 伝播速度は P 波より遅いが揺れが強い S 波があり, 地震はこれらの波が同一の点から同時に発生する.
- P 波も S 波も同一の点から球状に広がるので, 先に来る P 波を複数の観測点で観測することで, 地震の発生時刻と発生する点及び規模 (マグニチュード) が特定できる
- 地震の発生時刻と発生する点及び規模を正確に計算するには時間がかかるが, 大まかな値を把握する (ある程度の誤差を許容することで計算の速度を上げる) ことで S 波が来る前に身の安全を確保するための警報を必要に応じて出す.
ちなみに, P 波が到達してから S 波が到達するまでの揺れのことを初期微動といい, 初期微動が起きている時間のことを初期微動継続時間 という. また, S 波が到達してからの大きなゆれのことを主要動という. これは中学の理科第 2 分野 (生物学や地学を主として扱う分野) で学習することになっている.
緊急地震速報の限界
- その仕組みから震源に近い場所では役に立たない (S 波が到達してから速報が届くこともある).
- デジタルテレビ放送の場合は
- 放送局が動画データをエンコード
- 受信テレビでエンコードされた動画データをデコード
という過程を経るため, 7 秒程度の遅れが必ず発生する. (訂正) 緊急地震速報についてはデータ放送で対応するので遅れはこれよりも小さくなるとのこと. NHK による緊急地震速報の迅速化の記事を参照のこと. 2011 年 7 月 24 日正午までは放送しているアナログテレビ放送ではこのロスは発生しない. ラジオ放送でもこのロスは発生しない.
- 計算誤差が比較的大きい計算方法を採用して速報性を重視するため誤報が出る (震度 4 に満たない地震でも速報を出してしまう) ことがある.
緊急地震速報の例